【 概 要 】−善光寺は長滝白山神社の別当寺院だった長滝寺の社坊の一つ持善坊を前身とする寺院です。長滝白山神社は修験道の高僧として知られた泰澄大師が養老元年(717)に白山を開山し、麓に拠点となる祭祀場として創建された神社です。養老7年(723)には神仏習合し白山本地中宮長滝寺と号するようになり天長9年(832)には白山登拝の拠点となる三馬場(美濃馬場・越前馬場・加賀馬場)の一つとして整備されました。持善坊は長滝白山神社や長滝寺と共に繁栄しましたが、室町時代中期以降になると浄土真宗が広く信仰されるようになり天台宗だった長滝寺の末寺の多くのが浄土真宗に改宗した為衰微しました。さらに、明治時代に入ると神仏分離令と修験道廃止令により長滝白山神社と長滝寺が分裂し、長滝寺は廃寺寸前まで追い込まれた為、持善坊は郡上八幡城の跡地に境内を移し再興を図りました。本堂は郡上八幡城の本丸御殿の一部を再利用した歴史的な建物となっています。その後、善光寺(長野県長野市)から本尊の分身体を勧請して郡上善光寺と寺号を改め、昭和に入り鞍馬寺(京都府京都市左京区鞍馬本町)から毘沙門天の分霊を勧請し鞍馬山郡上別院となっています。
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